複数のローン返済が難しくなり、自己破産をしたケース
「相談前状況」
TSさん(男性)が最初に借金をしたのは20歳の時でした。免許を取るため自動車学校に通ったのですが、その費用33万円を用意できず、M社のローンを利用しました。返済金額は月額1万円であり、順調に支払っていました。
しかし、ローンを組むことに抵抗のなくなったTSさんは、免許取得後スクーターの購入、自動車の購入と借金を増やすことになりました。その後も給料が少ない時はA社やT社から借り入れを行い、月々の返済額は増えていきました。
購入した車が故障し、修理費が50万円かけて直したにもかかわらず、結局半年後には乗れなくなり、廃車としました。新車購入時にもローンを組み、132万円及び割賦販売手数料32万円合計164万円の借金を負うことになりました。
「解決方法」
当事務所に来られた時は合計6社262万円の借り入れになっていました。今のように返済で頭のなかがいっぱいになるような状態では、まともに生活できないといい、車には執着全くないとのことでしたので、破産で新しい人生をスタートさせることにしました。
ただし、借り入れの半分以上が車やバイクの購入費であり、いわゆる「浪費」によるものです。破産が認められない可能性もあることを説明しつつ、申し立てしました。
「解決後状況」
やはり「浪費」が原因であることから、すんなりと同時廃止とは行きませんでした。裁判官より40万円の任意配当を命ぜられました。任意配当とは、半年から1年かけてお金を貯めて、貯まったところで債権者に対し、割合に応じて配当をし、配当が終わったらやっと免責されるというものです。TSさんは半年で積立ました。配当を終え、無事免責になりました。
先に物を買ってローンを組むことは、その時支払わなくても、支払いの先送りをしているだけで、それは結局将来の自分の収入を先取りするだけです。TSさんは支払額以上のローンを組むことの恐ろしさを、身を持って経験したといい、以後は浪費のない生活を順調に続けています。